IXY 31S インプレッション2「写りについて」
前回IXY31Sの「つくりの良さ」について述べたが、「写り」については、果たしてどうだろうか。購入後、まだ日は浅いが、約1000枚ほど撮った段階での感想としては、「なかなかいい写り」だと思った。当初予想していたよりも良い印象だ。これだけ写れば、常時持ち歩いてイザというときにサッとポケットから取り出し、シャッターチャンスを生かすことができる。たいがいのものは、これ一台でこなせる!と正直思った。
コンパクトデジタルカメラが、これだけ写るなら、もう日常はビッグサイズのカメラを持つ必要はない。最近のコンパクトデジカメの写りは、決してバカにできない写りだ。そのなかでも、IXY31Sは、おそらく写りにおいて相当上位の部類に入るだろう。
高級コンパクトと比べても、見劣りしない。しかも、24mmからの広角がF2.0と明るい。F2クラスのレンズが搭載されたデジカメなんて、少し前までは、一部の高級コンパクトにしかなかった。高級コンパクトでもないのに、ここまで写れば、やはり驚いてしまう。
IXY31Sの写りは、一言でいえば「自然な写り」。当初裏面照射型のCMOSを使っているだけに、それほど期待していなかったのだが、他者メーカーの同等のCMOS搭載機のもつ独特のくせ(デジタルくささ)があまり感じられない。ファーストインプレッションで、「これなら使える!」と思ったほど自然な描写だった。CASIOに代表される、裏面照射型独特のぎこちなさが見られない。これは、ディスプレイ上で等倍にしてみれば明らかだ。
この写りの良さをもう少し細かく言えば、「諧調表現が豊か」だということ。グラデーションが豊富だから、立体感がある。おそらくレンズが優秀なのだろう。写りについて、重箱の底をつつくような微細なことを語るひとは少なくないが、要はバランスの問題。それよりも「写真」としての「普通の写り」がほしい。やたらシャープネスをかけまくったものや、ギスギスして諧調表現に乏しいものは、ご免だ。その点IXY31Sは、「写真らしい写りがする」カメラだ。昔からのフィルム時代からカメラを作ってきたメーカーは、「写真」というものをよく知っている。
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