FUJIFILMのFINEPIX S200EXRが生産完了したようだ。S100の後継機種として、2009年9月に発売されたが、2010年の4月末で終了となった。
このS200EXRは、一眼レフではないが、誰が見ても一眼レフと見間違うほどの、大きくて本格的なサイズ。重量も870gある。普段持ち歩くと、実際一眼レフをぶら下げているような感じだ。
でも、いいカメラだ。製造中止で、今後「隠れた名機」になる可能性もある。
このカメラは、実に使い心地がいい。まず、サイズが大きすぎず小さすぎず、ちょうどいい。右手のグリップ形状が手によくなじむ。他メーカーの一眼レフでも、実際に手に持ってみると右手のグリップがこれほどしっくりこないものが多いなかで、実に快適だ。
次に優れているのは、カラー液晶モニター。上下左右160度°の広視野角とカタログに書かれているが本当に見やすい。これなら、可動式にする必要もない。S200は前機種のS100と違って固定式だけど、ウエストレベルファインダーのように上から覗いても十分視認性が高い。
液晶モニターの右側には、大半の一眼レフカメラと同様の円形コマンドボタンがあり、上下左右中央、計5つのボタンを操作するようになっているが、このボタン形状が絶妙で指によくかかり、大変操作しやすい(他メーカーの一眼レフも見習ってほしい)。
WB、ISO、連写、AFモード、露出補正、AEロックなどは、全て個別の操作ボタンがあり、慣れればボタンの位置も覚え、わかりやすく即時変更できる(一眼レフの入門機はこのあたりが省略され、煩わしいメニュー操作を要するものが多い)。このカメラはユーザーインタフェースがよく考えられている。
さて、ネオ一眼といわれるこの種のカメラは、AFの精度とレスポンスが気になるが、これがなかなかよくできている。もちろん、一眼レフのような位相差AF方式ではなく、コントラストAF方式である。一般的にコントラスト方式は、どうしてもスピードの面では位相差方式には及ばないが、この機種に関しては、相当善戦している。かなり速い。広角から望遠まで実用上十分なスピードを確保している(入門機の一眼レフなどは、これより遅いものも見受けられる)。
このAFレスポンスの快適さと、ミラーレスによる無振動で静かなシャッター感触が、おそらくこの機種の最大の魅力だろう。これに慣れれば、このカメラを手放せなくなってくる。
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