Murphy:「バーバラ・リー(Barbara Lea)の50年代のアルバムが復刻されたね。以前に、Djangoくんから教えてもらった第13回に掲載されたバーバラ・リーのアルバムを聴いて、好印象を持っていたので気になっていたんだ。」
Django:「今回6/20に発売されたア・ウーマン・イン・ラヴ(A Woman In Love)は、1955年にリヴァーサイドからデビューアルバムとしてリリースされたLPに収録された8曲と、他に1954年に吹き込んだ2曲を加えたもので、1955年のものは名手ルディ・ヴァン・ゲルダーが録音したといわれている。
このアルバムは、国内盤はこれまでまったくリリースされたことがなかっただけに、ようやくファンの要望に応えるべく、シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン(Sinatra Society of Japan)から復刻された大変価値あるものといえる。」
Murphy:「Djangoくんも、これまで聴いたことがなかったの?」
Django:「実は、1980年代のはじめに、偶然京都の十字屋のジャズコーナーで見つけて購入した。もちろんLPだけど、オーディオファイルというレーベルのもの。当時の印象は、家に持ち帰り聴いたとたん、ほんとうにいいアルバムを見つけたと思い、それ以降バーバラ・リーのファンになったというわけだ。それだけに自分でも大変思い出深いアルバム。パーソネルは、ジョニー・ウィンドハースト(tp)、ビリー・テイラー(p)、ジミー・シャーリー(g)、アール・メイ(b)、パーシー・ブライス(ds)で、大変落ち着いた円熟の演奏だ。選曲も30年代から40年代のスタンダード曲が中心で、バーバラの落ち着いた歌声が当時のレトロな雰囲気を再現し、今の時代改めて聴くと、さらに魅力が増してくる。」
Murphy:「ぼくのようなジャズ・ヴォーカルの入門者でも、バーバラ・リーのヴォーカルは、抵抗なく受け入れられ、自然でやさしく、ホッとする歌声は、気分が安らぐし、こうした大人のジャズヴォーカルは大歓迎だね。」
Django:「今回のアルバムは名曲ばかりで、本当はすべて採り上げたいんだけど、しいてあげるなら、ガーシュインの最後の作品とされる、1938年に作曲されたラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ (Love Is Here to Stay)を選んでおこう。ガーシュインのヒット曲のなかでも人気曲で、多くの映画にも挿入された曲。
それにしても今回の復刻盤は、しっとりと落ち着いた大人のジャズヴォーカルを聴きたい人にぴったりのアルバムで、ジャズヴォーカル入門者にもおすすめです。」
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