マイクロフォーサーズ規格発表以降、2008年秋モデルの憶測が飛び交っている。マイクロフォーサーズ第一号機の発売時期、オリンパスかパナソニックの何れが先行するか、予想デザインなどなかなか賑やかだ。そうしたなかで、2008年9月以降の新モデルについては、まずパナソニックからマイクロでなく従来からのフォーサーズ機が発表されるだろうと予想されている。早ければ今月の12日に、L-10の後継機がアナウンスされるとの噂だ。
一方、マイクロフォーサーズ機は、ここにきてもう少し発売時期が先になるのではないかとの見方が強まっている。いずれにしても、マイクロフォーサーズ機はともかく、年内にパナソニック、オリンパスの双方からフォーサーズの新機種が発売されることは間違いないだろう。
ところで、フォーサーズの新機種については、オリンパスよりもパナソニックの方にどうも関心が向かってしまう。オリンパスの新機種についてはおよその検討がつくからというのが理由の一つ。それよりも今パナソニックに興味を持つのは、これまでのL-1、L-10の存在が無視できないからだ。
話は変わるが、オリンパスもこのところ、E-1、E-300などの旧製品が中古市場でもほとんど姿を消しつつある。それとともにおもしろいことに、旧製品を探している人が増加していることだ。LiveMOSセンサーになる前のコダック製のフルフレーム型CCD搭載機への関心が高まっている。そのことは、現在搭載されているLiveMOSセンサーが、以前のコダック製CCDに比べ、写りの上で圧倒的に上回るものではなかったことが次第にわかってきたからだ。E-410、E-510を買ったけれど、これならE-1やE-300のままでも良かったいう人も少なくない。あるいは、コダック製CCD時代のあの独特のオリンパスブルーが好きだからという人もいる。フォーサーズの初期の頃からのユーザーは、いまだに画素数では劣るE-1、E-300を使っている人が案外多いという。理由は、CCDのダイナミックレンジの広さにある。
現在のLiveMOSセンサー機をオリンパス、パナソニックを含めて比較すると、俄然パナソニックのL-10の存在が光ってくる。なぜかというと、ダイナミックレンジが広いからだ。L-10はフォーサーズ機のなかで最もいい写りのする機種だともいわれている。ちょっと待てよ、オリンパスのE-3を忘れていないか?といわれそうだけど、L-10のダイナミックレンジは、E-3と同等ではないかと思えるほど広いようだ。E-410、E-510に比べ、E-3は約40〜60%ダイナミックレンジが大きくなったと言われるが、L-10は、それと同等であるようだ。(発売時期からしてこれはどういうことなのかその疑問はおいておくが...)
現在でもフォーサーズの初期からのユーザーに根強い人気があるコダック製CCDを、あえてLiveMOSセンサーに代えたのは明確な理由があったからだ。それは、ライブビュー・モード搭載のためだった。E-330などと違い1枚の撮像素子でそれを達成するためには、どうしてもLiveMOSセンサー採用に踏み切らねばならなかったということである。しかし、そのLiveMOSセンサーが、画素数を増やしながらコダック製CCDをはるかに上回る写りを獲得するには(高画素化とダイナミックレンジ拡大の矛盾を解決するには)ある程度の時間も要するわけだ。
では、次期フォーサーズ機には、新バージョンのLiveMOSセンサーが搭載されるのか。あるいは、現状のままか。いうまでもなく撮像素子の開発元はパナソニックであり、そういった意味でパナソニック製2008年秋モデルは非常に興味深いといえる。
パナソニックのL-1、L-10の標準レンズは、さすがライカブランドを掲げているだけあって、なかなか優れたレンズ。ズームレンズの広角側にみられる樽型の歪曲収差がきわめて少ないことは特筆すべきことだ。L-10の次機種には新たな標準レンズを用意するのか? このあたりも興味深い。
それと、ボディのデザインだ。L-1の斬新なデザインに対して、L-10は、残念ながらそれほど魅力的ではなかった。一見して普通のLumixシリーズですと言わんばかりの、万人向き、個性のないボディ形状だった。次機種のデザインは、ペンタプリズム部の出っ張った、一般的な一眼レフタイプになると思われるが、そろそろこれがパナソニックの一眼レフだという、デザインにおいてアイデンティティが感じられるものを出してほしい。
最近のコメント