Django:「京都シティハーフマラソン、平安神宮前9時スタート。今日は朝から散歩に行けそうな気配。マラソンコースは、平安神宮→河原町御池→烏丸御池→烏丸今出川→河原町今出川→(加茂街道を通り)北山大橋へと続く。北山大橋通過時刻を主人は頭に入れた。先頭ランナーが9時25分に到着だ。
鴨川河川敷に到着し北山大橋に向かって歩いた。気がつくと橋にはすでにランナーの姿が見えた。いつものように、寄り道しながらにおいを嗅ぎわけている暇はない。そこから駆け足でやっと橋の南側に到着した。北山大橋を東へ渡ったあたりで、ブラスバンドのマーチが聴こえた。ここで観戦。
鴨川河川敷でいつもマラソン練習をしているT花さんはもうすでに通過したんだろうか。匂いを嗅いでみたけどボクの鼻でもわからない。T花さんのいつもの練習コースは北山から京都駅までの往復。相当な距離だ。それだけ走り込んでいるから、今日のレースもきっといい位置につけているに違いない。6200人のランナーが走ってくるのだから、相当集中しないと見逃してしまう。スピードが速く目の前を通過するのは一瞬だ。ブラスバンドの演奏に熱が入ってきた。サウンド全開だ。中学生にしてはなかなかうまい。先 生の指揮の姿もいい。気がつけばボクはランナーよりもサウンドに耳を奪われていた。曲が終わった。と、そのとき一瞬T花さんの匂いがした。思わず前方を見ると、風のようにT花さんが通り過ぎ去った。主人は気がつくのが遅かった。T花さんはボクの顔を見て微笑んで行った。
家に帰っても、ブラスバンドのサウンドが耳に残った。急にビッグバンドを聴きたくなった。ひょっとして主人も同感ではないかと思っていると、ボクの勘が当たった。棚からCDアルバムを取り出した。CDのプラスティックケースがピカピカだ。新しい。最新盤に違いない、と思っていると、ビッグバンド・サウンドが流れ始めた。グレンミラーの真珠の首飾り(A String Of Pearls)。でも演奏はグレンミラーではない。誰の演奏か? サウンドは相当新しい、ニューヨークっぽい、などと思いながら再度ジャケットを覗いてみた。
わかった! マンハッタン・ジャズ・オーケストラ。略してMJOと呼ばれる、デビッド・マシューズ率いるNY最強のジャズオーケストラだ。アルバムタイトルは、イン・ザ・ムード〜プレイズ・グレン・ミラー〜。2007年の作品。今年の6月にジャパンツアーが決定している。関西では6/21(土)に大阪ザ・シンフォニーホールで開催が予定されている。このオーケストラの編成は、通常のビッグバンド編成とは相当異なっている。もっとコンテンポラリーというかギル・エバンス的だ。でも、ギルよりデビッド・マシューズの方が親しみやすい。編成は、4トランペット、4トロンボーン、2サックス、2フレンチ・ホーン、ベース・クラリネット、チューバ、ピアノ、ベース、ドラムからなる。マシューズの斬新でコンテンポラリーなサウンドは、からだに心地よいね。」
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