Murphy:「このところピアノトリオのアルバムが続いているんだけど、他にもっとピアノトリオのいいアルバムを紹介してくれる? ビバップ系のピアニストで、最新録音のアルバムがいいんだけど。」
Django:「たぶんMurphyくんの好みからすると、硬派なバップ・ピアニストであって、しかもシンプルで今の時代感覚に合う洗練された味わいを持つ演奏ということかな。その中で、最新録音ということで考えると、1936年1月19日シカゴ生まれの白人ピアニストで、ホッド・オブライエン(Hod O'Brien)という人のアルバムがおすすめだね。アルバム数も少なく知名度はそれほどないんだけど、ここ数年で日本でも人気上昇中だ。そのホッド・オブライエン・トリオの最新盤で、I'm Getting Sentimental Over You(センチになって)というアルバムは、有名なスタンダードナンバーを採り上げており、聴きやすくしかも深い味わいを持っている。音数が少なくシンプルなスタイルはおそらく一度聴けば必ずMurphyくんも気に入ると思うよ。」
M:「曲目は?」
D:「ズラリ名曲が並んでいる。そのなかでも、ビリー・ホリディが歌って一躍有名になったLover Come Back To Youがいいね。この曲は、その後1946年にレスター・ヤング、48年にはディジー・ガレスピーが、それぞれ吹き込んでおり、ジャズの名曲中の名曲といえる魅力的な曲。もともとこの曲は、1928年に Sigmund Rombergが作曲したブロードウェイ・ミュージカルのThe New Moonのなかの挿入歌で、作詞はオスカー・ハマーシュタインⅡ。このアルバムには、他に、 C Jam Blues、I Remember You、April In Parisなどが入っている。」
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I'm Getting Sentimental Over You(センチになって): Hod O'Brien Trio(ホッド・オブライエン・トリオ)2006年11月リリース
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